こんにちはたま助です。
全国の言語聴覚士(ST)やリハビリ職の皆さん、そしてご自宅で介護をされているご家族の皆さん、日々の訓練や教材の準備、本当にお疲れ様です。
注意障害や半側空間無視(USN)、遂行機能障害のリハビリにおいて、患者さんが楽しみながら自発的に取り組める課題として人気なのが「シークワーズ(ワードサーチ)」です。 文字の海の中から特定の単語を探し出すこのパズルは、眼球を動かす「視覚的なスキャン能力」だけでなく、文字の羅列を意味のある単語として統合する「言語機能」の活性化に非常に役立ちます。
しかし、市販の脳トレ本やパズル雑誌を使っていて、こんな歯がゆい思いをしたことはありませんか? 「文字が小さすぎて、高齢の患者さんには見えにくい」 「斜めや逆読みが多くて難しすぎ、患者さんが途中で怒ってしまう」 「もっと生活に密着した単語(食べ物や日用品など)だけの課題が欲しい」
患者さんの現在の能力にピタリと合わせ、**「できた!」という成功体験(誤りなし学習)**を提供するためには、細かなカスタマイズが欠かせません。
そこで私自身が開発し、無料公開したのがこの**「シークワーズ作成ツール」**です。最新のアップデートで、従来のプリント作成機能に加え、タブレットで直接遊べる「画面操作モード」を搭載しました!
※タップすると別のタブで開きます(ブラウザ上で動きます)


市販品にはない!現役STがこだわった3つの「かゆい所に手が届く」機能
実際の臨床現場でのニーズに応えるため、徹底的に「操作性」と「柔軟性」にこだわってプログラミングしました。
- 特徴1:【新機能】指でなぞって「画面上で回答」が可能に 新搭載のインタラクティブモードでは、画面上の最初と最後の文字を指でタップするだけで、見つけた単語がパッと緑色にハイライトされます。片麻痺や手の震え(振戦)などで鉛筆を持つのが難しい患者さんでも、タブレットが1台あれば本格的なリハビリが可能です。すべて見つけた時には画面に「お祝いメッセージ」が出るため、ドーパミンが分泌され達成感もひとしおです。
- 特徴2:難易度・カテゴリーを「その場」で自由自在に設定 課題の難易度を左右する要素を、ワンクリックで調整できます。
- マス目サイズ: 7×7の超・入門編から、12×12の超・上級編まで。
- カテゴリー: 動物、果物、野菜、家電など、失語症の訓練にも使いやすい身近なテーマを網羅。
- 方向設定: 最初は「横・縦」のみ。レベルアップしたら「斜め」を混ぜるなど、視覚探索の負荷を意図的にコントロールできます。
- 特徴3:A4サイズにぴったり!美しいプリントと「解答集」の自動生成 もちろん、高齢者に馴染み深い「紙に印刷して鉛筆で探す」スタイルにも完全対応しています。PCの「印刷」ボタンを押せば、不要な設定パネルは自動で消え、目に優しい大きな文字でレイアウトされた高品質なA4プリントが完成します。同時に「解答集」も生成されるため、病棟の看護師さんやご家族に丸付けをお願いする際の手間も一切かかりません。
【USN・失語症】ただ探すだけじゃない!臨床でのアレンジ活用術
このツールは、STの工夫次第で様々な高次脳機能障害へのアプローチに化けます。
- ① 注意障害への「段階的」アプローチ 最初は7×7マスの「横方向のみ」からスタートし、絶対に失敗しない難易度で自信をつけてもらいます。慣れてきたらマス目を増やし、最後に「斜め」を追加することで、注意の持続力と分配能力を段階的に鍛え上げます。
- ② 半側空間無視(USN)への探索訓練 あえて探す単語を「左側」に多く配置されるまで何度かシャッフルし、左空間への意識的なスキャン(トップダウンの注意誘導)を促す訓練として使用します。
- ③ 失語症・記憶障害への「カテゴリー想起」訓練 あえて「探す単語のリスト」を隠してプリントを渡します。「この文字の海の中に、食べ物が3つ隠れています。探してください」と指示することで、単なる視覚探索ではなく、**「頭の中の辞書から言葉を引っ張り出す(意味・カテゴリー想起)」**という、非常に高度なワーキングメモリと言語訓練にアレンジ可能です。
毎日の「宿題作り」を10秒で終わらせる裏技
さらに、STの皆さんにとって最大のメリットが**「まとめて作成」機能**です。 「10枚作成」ボタンを押せば、プログラムがランダムに単語を配置し、重複のない10日分の宿題プリントが一瞬で完成します。外来や訪問リハビリの後の「宿題づくり」にかかっていた残業時間が、これで驚くほど削減されます。
おわりに
「パズルを解く楽しさ」は、辛いリハビリのモチベーションを支える最大の原動力です。
私が開発したこの小さなWebアプリが、日々教材作りに追われる全国のSTの皆さんの時間を少しでも生み出し、そして何より、患者さんの「見つけた!」という誇らしげな笑顔に繋がれば、開発者としてこれ以上の喜びはありません。
「こんなカテゴリー(単語)を追加してほしい!」「こんな機能があればもっと便利なのに!」といった現場からのリクエストがあれば、ぜひブログのコメント欄で教えてください。どんどんアップデートしていきます!
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