こんにちは、たま助です。
全国の言語聴覚士(ST)や作業療法士(OT)の皆さん、日々の臨床やプリント教材づくり、本当にお疲れ様です。
注意障害や遂行機能障害、ワーキングメモリのリハビリにおいて、数字を順番に目で追って線で結んでいく「TMT(Trail Making Test)風の点つなぎ課題」は、臨床現場で欠かせない王道メニューですよね。視覚探索能力や情報処理速度を総合的に鍛えることができます。
しかし、市販のドリルや同じプリントを何度も使っていると、患者さんが「数字の場所(配置)」を空間的に丸暗記してしまい、本来の注意機能の訓練にならなくなってしまうという悩みはありませんか?かといって、毎回手作業で数字をランダムに配置したプリントを作るのは、膨大な手間と時間がかかります。
そんな現場の「困った」を解決するため、今回新たに**2種類の「点つなぎ課題作成ツール」**を独自開発し、無料公開しました! タブレット上でそのまま「自動採点」で遊ぶことも、宿題用に「一括印刷」することもできる、STの業務効率化に特化したツールです。
用途の違う2つのアプリをご用意しましたので、それぞれの特徴をご紹介します!
アプリ①:定番の基礎トレ「数つなぎ課題(TMT風)」
まず1つ目は、オーソドックスなTMT(パートA)の形式をベースにした基礎トレーニングアプリです。数字を小さい順(1→2→3…)に、できるだけ速く正確に線でつないでいきます。
- 選べる2つのモード: 「数字順」だけでなく、「ひらがな順(あ・い・う…)」への切り替えが可能です。数字の羅列に慣れてしまった患者さんに対して、言語的な順序(五十音)を追うという「異なる認知処理」を要求することで、注意・処理機能へ新たな負荷をかけることができます。
- 細かな難易度設定: ターゲットの数を「10個(かんたん)」「15個(やさしい)」「20個(ふつう)」「25個(むずかしい)」の4段階から選択できます。
- 臨床的意義: 視界の中から必要な情報を素早く見つけ出す「選択性注意」と、最後まで集中を切らさない「持続性注意」、そして目と手を連動させる「情報処理速度」を総合的に鍛え上げます。
※タップすると別のタブで開きます(ブラウザ上で動きます)
アプリ②:ワーキングメモリを極める「順序つなぎ課題」
2つ目は、より高度な前頭葉機能にアプローチするために開発したオリジナル課題です。 「1→2→3」と順番通りにつなぐのではなく、画面上部に提示された**「指定されたランダムな順序(例:3→7→1→5→2)」の通りに数字をつないでいく**という、非常に認知的負荷の高い設計になっています。
- ダミー数字の配置: 画面には、指定された順序以外の「繋いではいけないダミーの数字」も混ざって散らばっています。
- 難易度設定:
- かんたん:全8数字の中から「5個」をつなぐ
- ふつう:全12数字の中から「7個」をつなぐ
- むずかしい:全16数字の中から「10個」をつなぐ
- 臨床的意義: 指定された順序を頭の作業台に一時的に留め置く「ワーキングメモリ」、ダミーの数字に釣られないように我慢する「抑制機能」、そして指示通りに計画を遂行する「遂行機能」を極限まで鍛えることができます。
※タップすると別のタブで開きます(ブラウザ上で動きます)
STの残業を激減させる!こだわりの「2大機能」
両方のアプリに共通して、臨床現場で最高に使いやすい2つのモードを搭載しています。
【1】タブレットで完結!「画面で行う(自動採点)」モード ベッドサイドやリハビリ室でタブレットを患者さんに渡し、画面上の丸を直接タップして進めてもらうモードです。
- 一瞬のフィードバック: 正解をタップすると緑色に変わり線が繋がり、間違えると赤く震えてエラーを知らせてくれます。
- 詳細な結果表示: 課題終了後には、「所要時間」「エラー数」に加え、**「平均タップ間隔(秒)」**まで自動算出されて結果画面に表示されます。この数値を記録しておくことで、処理速度の改善を客観的なデータとしてカルテに記載できます。
- ヒント機能(無誤謬学習への配慮): 途中でどうしても見つからずにパニックになりそうな時は、「ヒント表示」にチェックを入れると、次に押すべきターゲットがオレンジ色に光って(脈打って)教えてくれます。患者さんに失敗体験(エラー)をさせたくない時に最適です。
【2】毎日違う問題が出せる!「印刷シート一括作成」モード
- 10秒で10日分の宿題が完成: 印刷枚数を「1・2・3・5・10枚」から選び、「シートを作成」ボタンを押すだけ。プログラムが自動で重ならないように座標を計算し、毎回完全にランダムな配置でプリントを生成します。
- A4サイズに最適化: 印刷時には設定パネル等は消え、上部に「お名前・日付・所要時間・エラー数」を記入できる欄がついた、見やすいA4プリントが完成します。これで、患者さんが場所を丸暗記してしまう問題は完全に解決です!
おわりに
注意障害やワーキングメモリのリハビリは、患者さんにとっても単調で疲れやすく、セラピストにとっても「毎回新しいパターンの課題を準備し続ける」という物理的な負担が非常に大きい領域です。
私が作ったこの2つのWebアプリが、患者さんの「できた!」という成功体験を引き出し、そして何より全国のSTやOTの皆さんの「教材準備にかかる残業時間」を少しでも減らす手助けになれば、これほど嬉しいことはありません。
「こんな機能も追加してほしい!」「ここが使いにくかった」など、現場からのリアルなリクエストがあれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね。どんどんアップデートしていきます!
コメント